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日中戦争(昭和12年)前から太平洋戦争サイパン島に渡る前までの七年間にわたって交された数百通の大場榮と峯子の往復書簡。戦地と故郷とを行き来するラブレターから当時の様子を垣間見る。 栄のサイパン島での活躍は「太平洋の奇跡~フォックスと呼ばれた男」「タッポーチョ 敵ながら天晴 大場隊の勇戦512日」をご覧ください。
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長男一弘君は、成長につれ
いろいろ楽しいエピソードがいっぱい記述されています。

1歳の頃は、いたずら盛りです。

===一部引用===

峯子 13年6月

一弘は此の頃歩く様になって、
お座敷へ行ったりお店へ出たり、本当に目が離せません。
今も兄が市外電話の最中に、
坊やがお店のスイッチを切り替えてしまいましたので、
「あっちへ連れて行け」って叱られましたのよ。
一ちゃん伯父様何って問いましたら、
廻らない舌で“あっちちれていけ”って真似しています。


====

子どもの様子を書く峯子も
手紙を読む栄も、
成長ぶりに目を細めているのが見えるようです。
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6月4日はムシバ予防デー。
長男一弘君は、
乳児の頃はあれこれ病気もしたようですが、
幼児の頃には、随分丈夫になって、
はしかと眼医者ぐらいしかかかっていないようです。
歯も大きくて生えそろったのも早く、
歯医者も一度くらいはお手紙に出てきますが、
総じて丈夫に育っています。
峯子も、坊やが元気なので
大変助かると、何度も書いています。

歯は健康のバロメーターですね。
大事にしましょう。
2011年6月2日明け方、
北日本で日の出直後わずかに欠ける部分日食がみられます。
低空で観測条件がいいとはいえないということですが、
みられましたでしょうか?
6月16日の明け方にも、
関東以西で月没直前にわずかに観測できる皆既月食
(東北以北では部分月食のみのようですが)
もあります。

峯子と栄のお手紙にも、日食の話が出てきます。
お互いに、空を見上げて
同じ時を感じていたのでしょう。

===一部引用====
峯子 16年9月23日

二十一日に日蝕御覧になれまして?
三谷でも六割日蝕で大変よく見えましたので
一弘ちゃんにも観せましたら
ガラスの裏と表を間違えて鼻の頭が
煤でまっ黒になってしまいました。
漢口方面は皆既蝕とか伺いましたから
きっと、真っ黒い太陽が御覧になれました事と存じます。


======
親子丼というメニューが、
お手紙に何度か出てきます。
峯子の手紙に、
一弘を連れて竹島近くに散歩に行った折
食堂で注文するのに
「僕、断然親子丼だね!」
と言うのです。
栄の出した絵葉書の図柄に
「親子どんぶり」の幟がありましたので
それを覚えていたのか、
親子で食べるからなのか、
単に卵と鶏肉が好きだったのか、
本当のところは分かりません・・・・
峯子と榮の一粒種、ご長男の一弘君
お手紙のあちこちに、やんちゃぶりが見受けられる
可愛い坊やです。
5歳(数え年)のころには、
峯子の手紙と一緒に、たびたび
栄の元に絵を送っています。
当時の男の子ですから、
家族の顔とかの他、汽車とか飛行機とか軍艦とか?

榮はそれを見て
「上手いのか下手なのか分からないが・・」
という評に
「お父様は目が悪いね」
と、お茶目で口達者な一弘君です。

ご長男の一弘君のエピソードは、
栄が望んだ事もあって
ほとんど毎回のように触れられ
峯子のお手紙に成長の様子が描かれています。

その中で、水に関係した話がいくつかあります。
そのひとつで面白かったのが、
浜松のデパートの屋上にある池の鯉を
捕まえようとして、
50センチほどの高さの橋から落ちて
びしょ濡れになった「事件」。
とても、腕白ぶりが偲ばれるエピソードです。
残念なことに
本には掲載されませんでしたけれど。
長男一弘がもうすぐ幼稚園に行こうかという夏、
毎日、蝉取り遊びです。
アブラゼミやクマゼミでしょうか。
大分、腕をあげました」と峯子は自慢しています。
そして続けて、
自分の幼少の時には蝉は捕った覚えはないから
きっとあなた様の遺伝でしょう

とも書いています。

きっと、栄の小さいころも
蝉取りして遊んだのでしょうね。
子どもが幼稚園に行くぐらいの年齢になると
たびたび栄は峯子宛以外に
子ども宛ての手紙を書いています。

毎日なにをして遊んでいますか?
お母さんの言う事を聞いて
良い子になってください。
元気で遊びなさい。
とか。

子どもも、父親の存在が
「朝晩手を合わせる写真のヒト」だけでない父親像を
抱いていたようです。

======
峯子の手紙 15年~16年頃?

一弘ちゃんのところへ、お便り有難うございました。
お父さまの御便りは、坊やの教育材料に、
とても効果百パーセントでございます。
昨日お便りを二遍読み聞かせました。
その時の真剣な姿。
一字一句にも、子供の神経には
鋭く響きますのには、今更驚きました。
峯子の兄妹や、榮の姉の家庭で
結婚・出産が続き初節句の祝いが毎年のようにあります。
甥や姪がどんどん増えていく中、
長男一弘(5歳の頃、そろそろ幼稚園か?)は一つの疑問を持ちます。
お友達やいとこには自分より小さくても赤ちゃんがいるのに、
「僕の所はいつ赤ちゃんが生れるの」と淋しそうに申します。

=== 峯子の手紙より(17年1月) ===
返事に困ってしまいました。
「一ちゃんが母ちゃんにぐずらないようになると生れるのよ」
「それじゃあ、今日からぐずらなくなるから、早く赤ちゃんを生んでね」ですって。
来年かしら、再来年かしら、この子の望みをかなえてあげられるのはと思いながらも、
峯子は思わず「はい」と返事をしてしまいました。
一弘ちゃんの嬉しそうな恥ずかしそうな顔!
とても可愛ゆうございました。


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大場書簡を読み解く会
性別:
非公開
自己紹介:
2011年2月に出版。
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