日中戦争(昭和12年)前から太平洋戦争サイパン島に渡る前までの七年間にわたって交された数百通の大場榮と峯子の往復書簡。戦地と故郷とを行き来するラブレターから当時の様子を垣間見る。
栄のサイパン島での活躍は「太平洋の奇跡~フォックスと呼ばれた男」「タッポーチョ 敵ながら天晴 大場隊の勇戦512日」をご覧ください。
17年の正月前後は、
二人の人生の中でもドラマのクライマックスシーンのひとつでしょう。
11月に送ったセーターのことで何度もやり取りをした年末、
恥ずかしい初夢を見た正月です。
峯子は、正月に一年の計をたてています。
======
峯子 17年1月14日
昭和十七年元旦から、
峯子は五日に一通、お便り差上げる事に定めました。
一日から五日までに、暇を見て一通、
また十日までに一通というように。
書けないでしまったら、
次の五日間には二通と思っております。
======
このころの話題といえば、子どものエピソードの他
正月明けて、知人や親戚の消息や勤務先や義弟の新兵の事など
比較的のどかな話題が続く中、
17年1月18日の新聞記事から一変し、
不安な気持ちのよぎる手紙になります。
二人の人生の中でもドラマのクライマックスシーンのひとつでしょう。
11月に送ったセーターのことで何度もやり取りをした年末、
恥ずかしい初夢を見た正月です。
峯子は、正月に一年の計をたてています。
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峯子 17年1月14日
昭和十七年元旦から、
峯子は五日に一通、お便り差上げる事に定めました。
一日から五日までに、暇を見て一通、
また十日までに一通というように。
書けないでしまったら、
次の五日間には二通と思っております。
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このころの話題といえば、子どものエピソードの他
正月明けて、知人や親戚の消息や勤務先や義弟の新兵の事など
比較的のどかな話題が続く中、
17年1月18日の新聞記事から一変し、
不安な気持ちのよぎる手紙になります。
年末年始は、
祝い事や忘新年会などで酒席も多いと思いますが、
栄は酒が強い?
戦地ではさほど飲めないと思うのですが、
それでも本部にいる時などの正月には
お酒の配給もあったようですね。
===一部引用===
栄 16年2月
俺は酒は強いから
三本や四本呑まなければいい気持ちにならない。
土曜日の晩だけでもいい。
帰ったら気持よく飲まして貰うが、
喜んでお酌すると言っているが、
今まで一度もお酌した事もなかったお前が
果して出来るか。
====
この手紙に呼応する峯子の手紙があります。
土曜日の晩酌のできるような農作業をしながらの平和で温かい家庭:
ささやかな夢の生活が訪れる日を
二人で楽しみにしています。
祝い事や忘新年会などで酒席も多いと思いますが、
栄は酒が強い?
戦地ではさほど飲めないと思うのですが、
それでも本部にいる時などの正月には
お酒の配給もあったようですね。
===一部引用===
栄 16年2月
俺は酒は強いから
三本や四本呑まなければいい気持ちにならない。
土曜日の晩だけでもいい。
帰ったら気持よく飲まして貰うが、
喜んでお酌すると言っているが、
今まで一度もお酌した事もなかったお前が
果して出来るか。
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この手紙に呼応する峯子の手紙があります。
土曜日の晩酌のできるような農作業をしながらの平和で温かい家庭:
ささやかな夢の生活が訪れる日を
二人で楽しみにしています。
17年の1月、3ヶ月後の新学期から
幼稚園に通うことになる一弘君です。
===一部引用===
峯子17年1月
幼稚園に希望を持たせるべく、
折にふれては語り聞かせました所、
この頃は自分でも時々幼稚園の話をいたします。
先日等は「嬉しいなあ。僕もう直ぐ幼稚園へ行けるから」
と申していました。
=====
このカテゴリーの記事を読む
「子どものエピソード」
幼稚園に通うことになる一弘君です。
===一部引用===
峯子17年1月
幼稚園に希望を持たせるべく、
折にふれては語り聞かせました所、
この頃は自分でも時々幼稚園の話をいたします。
先日等は「嬉しいなあ。僕もう直ぐ幼稚園へ行けるから」
と申していました。
=====
このカテゴリーの記事を読む
「子どものエピソード」
このブログも、2010年8月に書き始めてから
丸1年半、
10月7日からの毎日更新の連続記録からも
栄のサイパン島での戦い512日を裕に超え
記事数550を数えます。
そろそろ、毎日更新は厳しくなってまいりましたので、
マイペースで記事アップをしていこうかと
思っております。
峯子の手紙の頻度くらい書けると良いのですが・・・・
記事はアトランダムに並べておりますので、
初めての方は、カテゴリー別に読んでいただくと、
読みやすいかもしれません。
「思い出の場所など」
「当時の社会」
「戦地の状況」
「栄の人柄・好み」
「峯子の寂しさ」
「子どものエピソード」
「読み解く会活動」
「作業の裏話」
等のカテゴリーに分けています。
(左フレームにあります)
また、左フレームカテゴリー・コメントの下にある
白い枠で、ブログ内検索ができます。
キーワードを入れてみるのも
また面白うございますと思います(峯子調)。
丸1年半、
10月7日からの毎日更新の連続記録からも
栄のサイパン島での戦い512日を裕に超え
記事数550を数えます。
そろそろ、毎日更新は厳しくなってまいりましたので、
マイペースで記事アップをしていこうかと
思っております。
峯子の手紙の頻度くらい書けると良いのですが・・・・
記事はアトランダムに並べておりますので、
初めての方は、カテゴリー別に読んでいただくと、
読みやすいかもしれません。
「思い出の場所など」
「当時の社会」
「戦地の状況」
「栄の人柄・好み」
「峯子の寂しさ」
「子どものエピソード」
「読み解く会活動」
「作業の裏話」
等のカテゴリーに分けています。
(左フレームにあります)
また、左フレームカテゴリー・コメントの下にある
白い枠で、ブログ内検索ができます。
キーワードを入れてみるのも
また面白うございますと思います(峯子調)。
寒中お見舞い申し上げます。
峯子 15年1月の時候の挨拶
===一部引用===
今日もまた、
灰色の空から冷たい粉雪がチラチラ降っております。
寒に入ってからめっきり寒さが厳しくなりました。
戦線のお寒さはひとしお肌をさす事と存じ、
ご労苦の程ご察し申し上げます。
====
「寒」(かん)は、二十四節季の
小寒から大寒までの約15日間と、
大寒から節分(立春の前日)までの約15日間の合計約30日間を、
1年で最も寒い時期ということで、
「寒(かん)」と呼んでいます。
この季節になることを「寒の入り(かんのいり)」といい、
小寒の日がその「寒の入り」になります。
2012年は1月6日でした。
冬の嫌いな栄は、
厳寒の戦線で
春を待ち望んでいました。
峯子 15年1月の時候の挨拶
===一部引用===
今日もまた、
灰色の空から冷たい粉雪がチラチラ降っております。
寒に入ってからめっきり寒さが厳しくなりました。
戦線のお寒さはひとしお肌をさす事と存じ、
ご労苦の程ご察し申し上げます。
====
「寒」(かん)は、二十四節季の
小寒から大寒までの約15日間と、
大寒から節分(立春の前日)までの約15日間の合計約30日間を、
1年で最も寒い時期ということで、
「寒(かん)」と呼んでいます。
この季節になることを「寒の入り(かんのいり)」といい、
小寒の日がその「寒の入り」になります。
2012年は1月6日でした。
冬の嫌いな栄は、
厳寒の戦線で
春を待ち望んでいました。
昨年、蒲郡の主な出来事のひとつとして、
蒲郡新聞12月28日号に
「大場栄と峯子の戦火のラブレター」出版が
数えられていました。
2月の欄に、知事選などと並んで
一番上段に掲載されています。

このカテゴリーの記事を読む
「マスコミ記事」
蒲郡新聞12月28日号に
「大場栄と峯子の戦火のラブレター」出版が
数えられていました。
2月の欄に、知事選などと並んで
一番上段に掲載されています。
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「マスコミ記事」
峯子は、
オーバーコートを外套(がいとう)と言っていましたね。
一弘を連れて外出する時は、外套を着ていきます。
栄は、君は外套を持っていたかね?と
心配しています。
===一部引用===
峯子 16年12月
一弘ちゃんの外套の事、
先便で御心配下さいまして、有難うございます。
一昨年の冬、髪置きの祝いに、
純毛の少し大きい目のオーバーを、
三谷で買って頂きましたのが、
今年はちょうどようございますので、外出着にしています。
色は明るい灰色で胸にイカリの飾りがあり、
衿は黒い毛皮が付いていて、
一弘ちゃんではない様に可愛く見えます。
======
一弘君の従妹たち(栄の妹)には、
峯子手作りのコートを仕立てて
プレゼントしています。
オーバーコートを外套(がいとう)と言っていましたね。
一弘を連れて外出する時は、外套を着ていきます。
栄は、君は外套を持っていたかね?と
心配しています。
===一部引用===
峯子 16年12月
一弘ちゃんの外套の事、
先便で御心配下さいまして、有難うございます。
一昨年の冬、髪置きの祝いに、
純毛の少し大きい目のオーバーを、
三谷で買って頂きましたのが、
今年はちょうどようございますので、外出着にしています。
色は明るい灰色で胸にイカリの飾りがあり、
衿は黒い毛皮が付いていて、
一弘ちゃんではない様に可愛く見えます。
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一弘君の従妹たち(栄の妹)には、
峯子手作りのコートを仕立てて
プレゼントしています。
お正月三が日も終わりました。
お雑煮やおせち料理をいただきましたか。
伝統行事が続きますね。
1月は、ちょっと思いつくだけでも
お正月に松飾り、七草がゆ、鏡開き、成人式、どんど焼き、
寒の入り、大寒、小正月、など
列記できます。
それぞれ、独特の料理などで
季節の節目を祝いますね。
歴史文化の多様な島国、ニッポンです。
その時々に合わせてアレンジされたものもあるでしょうが、
由来など知ると、
なるほど、と納得することもよくあります。
生活様式もさまざまに選べる現代ですが、
お正月だけは、新たな気持ちになります。
文化の多様さ、伝統を、つづく平和の時代、
日本の誇りにしたいと思います。
栄達、国を背負って最後まで闘った日本兵の、
不利な立場になっても
日本人としての誇りを捨てずに生きた人々が
大切にした国ですから。
今、「大場栄と峯子の戦火のラブレター」を読み返してみて
崇高な精神を感じますね。
お雑煮やおせち料理をいただきましたか。
伝統行事が続きますね。
1月は、ちょっと思いつくだけでも
お正月に松飾り、七草がゆ、鏡開き、成人式、どんど焼き、
寒の入り、大寒、小正月、など
列記できます。
それぞれ、独特の料理などで
季節の節目を祝いますね。
歴史文化の多様な島国、ニッポンです。
その時々に合わせてアレンジされたものもあるでしょうが、
由来など知ると、
なるほど、と納得することもよくあります。
生活様式もさまざまに選べる現代ですが、
お正月だけは、新たな気持ちになります。
文化の多様さ、伝統を、つづく平和の時代、
日本の誇りにしたいと思います。
栄達、国を背負って最後まで闘った日本兵の、
不利な立場になっても
日本人としての誇りを捨てずに生きた人々が
大切にした国ですから。
今、「大場栄と峯子の戦火のラブレター」を読み返してみて
崇高な精神を感じますね。
17年正月2日の峯子の手紙です。
===一部引用===
餅米の配給を受け、
家内中で美味しいお雑煮を祝い、
九時全国奉祝の時間に宮城遥拝をなし、
日本国民として生を受けた事の幸せを
沁みじみと感謝いたしました。
====
餅米の配給があったのですね。
13年ごろから、物資の不足の為綿糸をはじめ
15年には砂糖とマッチ、綿糸配給統制で
その後、主食である米穀・小麦粉、みそ・しょうゆなど
基本食料が配給制度になります。
(参考:配給制度)
お雑煮は召しあがられましたでしょうか?

===一部引用===
餅米の配給を受け、
家内中で美味しいお雑煮を祝い、
九時全国奉祝の時間に宮城遥拝をなし、
日本国民として生を受けた事の幸せを
沁みじみと感謝いたしました。
====
餅米の配給があったのですね。
13年ごろから、物資の不足の為綿糸をはじめ
15年には砂糖とマッチ、綿糸配給統制で
その後、主食である米穀・小麦粉、みそ・しょうゆなど
基本食料が配給制度になります。
(参考:配給制度)
お雑煮は召しあがられましたでしょうか?
栄も峯子も筆まめな方たちです。
14年の年末、隊を移動する栄が
荷物の整理をしているとき、
綴じた手紙のことを書いています。
===一部引用===
栄14年 12月年末
峯子から来た手紙でも相当ありますからね。
過日表紙をつけて整理しましたら、
無筆なお前だからいくらも無いと思っていたが、
それでも厚さ一寸位あります。
時々前のからくり返して読んで見ますが、
味があってなかなか面白いです。
僕の分は、もう一尺位あると思いますが、如何ですか。
====
「僕のはもう1尺」は冗談だと思いますが、
栄は自分の方が沢山出している
という気持ちだったのでしょう。
(愛情の尺度? www)
「無筆」と言われていますが、なんのなんの
峯子も随分書いています。
文中の「一寸」(約3センチ)という厚さは
13年秋に出征して14年12月まで1年チョット分です。
15年末には二寸になり
峯子の手紙ファイルは、その後も2冊に増え
最終的には10センチ近くの厚みになって発見されています。
愛情深いお二人の仲睦まじさに感嘆します。
歴史に残る2011年ももう終わります。
記憶に残る出来事が多々ありました。
よいお年をお迎えください。
14年の年末、隊を移動する栄が
荷物の整理をしているとき、
綴じた手紙のことを書いています。
===一部引用===
栄14年 12月年末
峯子から来た手紙でも相当ありますからね。
過日表紙をつけて整理しましたら、
無筆なお前だからいくらも無いと思っていたが、
それでも厚さ一寸位あります。
時々前のからくり返して読んで見ますが、
味があってなかなか面白いです。
僕の分は、もう一尺位あると思いますが、如何ですか。
====
「僕のはもう1尺」は冗談だと思いますが、
栄は自分の方が沢山出している
という気持ちだったのでしょう。
(愛情の尺度? www)
「無筆」と言われていますが、なんのなんの
峯子も随分書いています。
文中の「一寸」(約3センチ)という厚さは
13年秋に出征して14年12月まで1年チョット分です。
15年末には二寸になり
峯子の手紙ファイルは、その後も2冊に増え
最終的には10センチ近くの厚みになって発見されています。
愛情深いお二人の仲睦まじさに感嘆します。
歴史に残る2011年ももう終わります。
記憶に残る出来事が多々ありました。
よいお年をお迎えください。
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プロフィール
HN:
大場書簡を読み解く会
性別:
非公開
自己紹介:
2011年2月に出版。
引用文の無断コピーはご遠慮下さい。
「大場書簡を読み解く会」
senkanoloveletter@live.jp
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