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日中戦争(昭和12年)前から太平洋戦争サイパン島に渡る前までの七年間にわたって交された数百通の大場榮と峯子の往復書簡。戦地と故郷とを行き来するラブレターから当時の様子を垣間見る。 栄のサイパン島での活躍は「太平洋の奇跡~フォックスと呼ばれた男」「タッポーチョ 敵ながら天晴 大場隊の勇戦512日」をご覧ください。
男女平等といっても、
男性中心の社会は、なかなか改まりませんが、
6月23日は男女共同参画社会の記念日です。
1999(平成11)年6月23日、「男女共同参画社会基本法」が公布・施行されました。
その前後を「男女共同参画週間」としています。
(男女共同参画推進本部が2000(平成12)年12月に制定、
 2001(平成13)年より実施)

栄と峯子の時代は、
当然、女が出しゃばるような事はありませんでしたが、
若い男性が皆戦地に取られていないのですから、
残った女性たちは、
「女だてらに」
銃後の暮らしを守るために頑張っています。

===一部引用===
峯子 17年秋

また家庭防護群の訓練は、もっと猛烈でございます。
戸毎に一人以上参加し、
各区別に焼夷弾が或カ所に落ちたものと仮定して、
焚木に火を付け消火訓練! 
それも大部分女の人ですので、
裾が足にからまらない様にもん平をはき、
頭には戦闘帽または大黒頭巾をかぶり、
いでたちも甲斐甲斐しく警防団の合図のリンと共に、
手に手にバケツを持って焼夷弾の落下した場に集まり、
バケツの手渡しで水をかけて、
少しでも早く消す練習を管制中毎日毎日練習しています。


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当時の社会
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思い出の地の数々ある豊橋市内で
パネル展
「大場栄と峯子の戦火のラブレター 豊橋展」を開催します。
7月22日(金) 午後1時~午後6時
  23日(土) 午前9時~午後6時
  24日(日) 午前9時~午後5時
豊橋市カリオンビル(豊橋駅より徒歩8分)

入場無料
チラシができてきました。
あちこちに宣伝したいわね。
ポスターも要るかしら?
26日(日)開催の「つなご縁
ラグーナ フェスティバルマーケットにて開催です。
蒲郡のいろいろなジャンルの企業が手をつなぎ、
その製品や活動の紹介と即売があります。
大場書簡を読み解く会も
「大場栄と峯子の戦火のラブレター」PRしてきます。
7月の豊橋カリオンでパネル展示をするので、その宣伝も。
編集者も、ちょっとだけ
ステージでおしゃべりのチャンスを戴きました。
時間は・・・お昼ちょっと前あたりだったかしら??
どうぞ、お出かけくださいね。

2月の蒲郡でのパネル展も大盛況でした。 豊橋展には、新しい展示物もありますので、 またお出かけいただくと 興味深くご覧いただけることと思います。

報告はこちら

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読み解く会活動
戦地では、ひげが剃れるのは、
落ち着いた状況の時に限られていた事でしょう。
慰問袋にはカミソリが差し入れられます。
峯子は、
縁起もかついで
たまにはサッパリしてくださいと送ります。

===一部引用===
峯子 13年5月

尚、かみそり二丁
「万才カミソリ」の良い名にひかされて買いました。
五~六回は使えます。
この店員の話でございました。
お暇の節は、武者ひげ顔をあたってさっぱりとしてください。


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このブログも、昨年8月より始めて
2010年10月7日より毎日の更新を続けて
あれこれ雑多な記事を書いております。
只今、このブログのアクセス数が
40000の大台に乗りました。

栄だったなら、「愈々盛ん」とでも
書いたでしょうw


このブログの読み方
梅雨の晴れ間は、洗濯日和。
さっぱりした服を着たいものです。
峯子は、お側で洗濯できないのを
残念がっています。

===一部引用===
峯子 13年夏

本日の新聞で、
漢口へ御出発なさる趣、拝見いたしました。
日中の行軍、どんなにかお骨折りの事と
皆々様の御苦労感謝いたします。
わけても貴方様は汗性です故、御難儀なさいます事と、
お側でお洗濯させて頂けないのを残念に存じます。


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映画「太平洋の奇跡」の出演の竹野内豊さん達俳優さんは、
少しでも当時の兵隊の気持ちに近づけたいからと
暑い撮影の40日間、
洗濯していない軍服を着ていたそうですが・・・

現在の東山動物園ができたのは、
昭和12年3月の開園、前年の7月3日が地鎮祭でした。
東山動物園の歴史より)
ですから、峯子が栄のひと月程の一時帰国の後、
見送りに行った帰り、 一弘を連れて動物園に行った16年は、
まだ真新しさのある動物園だったでしょう。

しかし、その年の暮れには日本は太平洋戦争に突入、
動物たちも受難の時代となります。
しかし、園長などの懸命の努力で
東山動物園の像は、戦争中も生き延びます。
戦後、生き残った象を見たいと、
全国からの子どもたちを載せて走る象列車の話
絵本や合唱曲になって語り継がれています。

1949年(昭和24年)6月18日、最初の象列車が走った日です。

彦根発着、1400人。国鉄名古屋鉄道局による設定。
第2陣は、1949年(昭和24年)6月25日(当初の予定では5月22日)、
東京発着、エレファント号、15両編成。
上野駅、日本交通公社、東京日日新聞の共催。
1156名の子供たちが象を見るために乗車した。
ウィキペディアより抜粋

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栄は汗かきで、
暑い支那の夏は難儀をしています。
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栄 13年夏
愈々暑くなって来ました。
生れつき汗の多い僕には、毎日ユデダコの様です。
汗で毛布がびっしょり。
暑いのに何故毛布をかむるかって、
目下カヤが無いので、
その代用に毛布で蚊の襲撃を防いでいます。


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蚊は、マラリヤの媒体なので、
刺されないよう注意しています。

そんな栄を、峯子は何時も気遣い
「暑いなどと言っては、申し訳ないので、
 言わないようにしている」などと書いています。


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栄の人柄・好み
峯子は、お手紙の中でも俳句や短歌を詠んでいますが、
晩年も続けています。
辞世の句ともいわれるのは、
教育長賞をいただいた句です。

「春塵や 小箱に秘めし 軍事便」

ずっとお手紙のことは、誰にも言わず小箱に秘めていたのですね。


お手紙とは時代がずれますが、
太平洋戦争における米軍のサイパン上陸は、
1944年6月15日でした。
7月7日には日本軍の一斉攻撃(玉砕)
7月9日にはアメリカ軍が制圧していますから
ホントにあっという間だったのですね・・・・

サイパン戦の栄の活躍は、
映画「太平洋の奇跡
ノベライス「タッポーチョ 太平洋の奇跡
原作本「タッポーチョ 敵ながら天晴~大場隊の勇戦512日
をご覧ください。
何しろ、たくさんのお手紙ですから、
データに打ち込んだり、
読みやすい日本語にしたり
という作業を2010年5月から秋・年末にかけて
「大場書簡を読み解く会」の
何人かで作業を分担して
したわけですね。
同時に、誰に何番(5桁の通し番号)の手紙を渡して
いつ戻ってきて次の校正は誰に回したか、
いつチェックしたか、
という管理もしていました。
大変な量で、パソコンも嫌がるぐらいww
これが、結構大変で、
エクセルの表にしていたのですが、
一度に仕事が溜って忙しいと
きちんと確認を取れずに
次の人に渡したりした事もありました。
後半は、アトランダムに書かれたお手紙
年代順のジグソーパズルを解くように
編集長とアーダコーダ協議していましたが。
1冊の本に納まるよう、削って削ったのもなかなか大変でした。
今でこそ、内緒で告白しますが・・
年を越えてから、
データが抜け落ちている事に気づいたものもありました。
Σ( ̄ロ ̄lll) ガビーン
ということで、
ドタバタの編集ぶりでございました。

内緒だからね!


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作業の裏話
三河港は、
峯子の父・利作が三谷町長の時に
5年の工事でやっと完成します。

===一部引用===
峯子 15年6月14日

五ヶ年計画で着工いたしました三谷港も、
物資不足の折柄、やっと完成いたしましたので、
本日、来賓多数参列で、
盛大な竣工式がございました。


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三谷港は、水産資源豊富な三河湾の水揚げで
賑わった事でしょう。

現在は、蒲郡(三谷から西浦)・豊橋・田原も含め広く三河港の一部として
機能しています。

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当時の社会
蒲郡を愛する人達が集い、
自主的に企画するイベントです。
人と人、人と物、人とまちをつなぎ結びたい!
人とまちを元気にしたい!
そんな思いの企画「つなご縁
今年は、ラグーナ蒲郡・フェスティバルマーケットでの開催です。

大場栄と峯子の戦火のラブレター」も参加しています。
2011年6月26日(日)
つなご縁
栄の手紙には、一度だけですが
「お前の処に出す便りは誰にも見せてはいけません。」
と書いてありました(昭和13年6月12日)
その手紙には、
見舞いの知人の事、
慰問品のカミソリを使った事、
その他慰問の菓子やタバコの事、
新愛知新聞に載った入営写真の件
蚊が多いなど、
特に軍規にふれるような記述は何もありませんでしたが、
きっと
峯子だけに心許した内容を書こうとしたからでしょうか。
峯子は時折好きな人妻椿の主人公を
自分になぞらえて書いています。
栄も、梅雨の合間の月を眺め
呼応するように返信します。

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栄 年不明6月10日

いとしの妻よ泣くじゃあ無い
     たとへ別れて居めばとて
仰ぐ空に照る月は
     西も東も同じこと
君の書いてよこした人妻椿の主題歌。
昨夜は梅雨にもにあわず月が照っていました。
寝ながら、窓越しにまるい月が輝いていました。
ふと君が書いてくれたこの主題歌を
つくづく味って見ました。
昨夜は旧の幾日かしら?
峯子も一弘も、
西も東も同じ月を眺めていたかも知れない。


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6月10日は時の記念日。
栄は、何度か戦場で時計を
水につけてダメにしたり失くしているようです。
中尉としての命令などにも必要な時計だったでしょう。
腕時計だったのか、懐中時計だったのか?
峯子も16年ごろ手元にある時計を修理したが送りましょうかと
何度も訊ねています。
でも失くした時計は結局、現地で求めたようです。
峯子の手元にあるのは
一弘にやる事にした、とありますので。

===一部引用===
栄 17年3月

過日◎◎◎ので◎◎に入っては、
時計をなくして困っている。
家にあったのを送って貰いたいと思っているが、
都合はどうか。
送ってこちらに到着する□
うまく手に入らない事を予想するが、
こちらで新たに買い求めるにする。


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【注】文中◎ は伏せ字     □ は判読不明文字


次の手紙でしょうか?
栄の手紙に、

この間腕巻時計をなくしたので、
新しく求めました。
痛いけれども仕方ない。
今度は懐中時計六十円です


とあります。
二人には、大切な思い出のある記念日がいくつもあります。
6月9日も、そのひとつです。
初めてタクシーで五号へ行った日なのです。

期待に胸踊らせて
タクシーに乗ったとあります。
きっと荷物も運び込んだのでしょう。
単に移動の為のタクシーではなく、
当時結婚式を挙げられなかった事情もあって
「嫁入り」と同じような意味を持っていたのではなかったのでしょうか。
峯子の妹の結婚のときにも、羨ましく思う気持ちを察して
栄は、「何なら帰ったら結婚式もやりましょうか?」
と書いています。





記念日は、他にも、
7月7日
10月10日
2月11日(紀元節)などがあります。

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思い出の場所など
初めての方には、
このブログの読み方
1992年6月8日に、大場栄さんはご逝去されました。
今日は20回目の命日です。

亡くなられる少し前、
市民病院に入院中だった栄の見舞い客を
蒲郡駅まで見送って行った峯子さんは、
帰りに交通事故で意識不明となりました。
峯子さんは、すぐ
栄さんと同じ病院に運び込まれました。
家族は、その事を知らせずにいたのですが、
とうとう栄さんは事実を知ってしまいます。
意識不明の峯子さんの傍で、
栄さんはどれほどのショックだったことでしょう。
数日のうちに死を迎えます。
峯子さんは、
意識不明のまま栄の死を知らずに
2週間後に後を追うように亡くなられます。

最後まで、仲睦まじく・・・と言っては
失礼でしょうか。
御冥福をお祈りいたします。


テレビ番組で放映した再現ドラマがyoutubeで見られます。
一昨日の東日新聞に、
豊橋花園商店街の記事が載っていましたが、
歩兵18連隊のあった豊橋市内、
軍で入用な物の他、
日用品も大きな店があって、
峯子は、豊橋でいろいろな買い物をしています。
は、札木の足立靴店、
服の注文は、花井洋服店に。

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峯子 15年
早速でございますが、短袴がご入用とのお事、
お兄様が豊橋へ参りますついでがございましたので、
お願いいたしました。
昨年の冬服も花井洋服店へお願いいたしましたので、
今度も花井洋服店にいたしました。


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栄は、戦地にいても
何時も心は故郷にあります。
幼少の頃を思い出し、
一弘の生育に気を遣っています。

===一部引用===
栄 年不明6月ごろ

はもう済んだでしょうね。
そろそろグミも色付く事だろう。
子供の頃はあのグミを楽みにしたものです。
その癖よく腹をこわしたものです。
一弘なんかも、そんなものを食しては
すぐ病気になるから、注意してやって下さい。


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プロフィール
HN:
大場書簡を読み解く会
性別:
非公開
自己紹介:
2011年2月に出版。
引用文の無断コピーはご遠慮下さい。

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